欲望の翼

しばしのお別れ・・・

「欲望の翼」国内最終上映の7/9。私は、スクリーンで観ることはついにかないませんでしたので、せめてこの映画に対する思いを書きたいと思います。

まずはストーリー。 

しかし。王家衛映画のストーリーを描くのは難しい…。だけど、頑張って東雲なりにまとめました。1960年代香港を舞台にした群像劇。登場人物はヨディ(レスリー・チャン)・ミミ(カリーナ・ラウ)・スー(マギー・チャン)・タイド(アンディ・ラウ)・サブ(ジャッキー・チュン)・謎の男(トニー・レオン)。

ヨディは愛を信じられない、けれど愛を渇望している若者。サッカー場で働くスーを口説き(あえて書きませんがロマンチックな名台詞!の数々。こんな言葉を言われたら、ましてレスリーですもの(笑)誰だって惚れますがな…)、同棲を始めます。だけれど女ならば安定が欲しいもの。それとなく「結婚」の二文字を出したスー。ヨディは縛られたくない。彼女と別れます。そしてダンサーのミミとの出会い。この二人のやりとりがなんとも可愛らしかったりします。

一方ヨディと別れ、夜の街を彷徨うスーはタイド(警官)と出会います。またこのタイドが良い人で。話を聞いてあげるうちに彼女のことが気になってくる。だけれど思いを伝えることは出来ない・・・。まだヨディの親友サブもミミのことが好きに…。ミミのサブに言う「惚れないでよ!」という台詞が圧巻です。そして、ヨディは自身の出生の秘密を知り、一人フィリピンへと旅立つ・・・。残された者、ミミはヨディを追いかけフィリピンへ、サブはそれでも俺は待っているとミミに告げます。本当に、この二人は一途。そしてスーはミミに案の定、行き先を聞かれますが別れた人のことだから関係ないと。。

場所はフィリピン。自身の秘密を知ってもどうすることもできなく、その日暮らしを送っていると思われるヨディ。そこへ、船乗りになったタイドと出会う。そして、怒涛の急展開。いまを生きるタイドと刹那的なヨディの逃避行となります…。

と、こんな内容ですが正直一回観ただけではわかりません。私はそうでした。でも感覚で「この映画、すごく好き!」と思ったのは確か。出演者のモノローグが入りつつ、蒸し暑い香港・フィリピンの空気を感じ、やるせない日常を淡々と描くこの作品に魅了されました。


ここからは私のレスリー・欲望の翼への思い入れ感想。

レスリー開眼はこの作品を2回目に見たとき。私が香港映画を観だしたきっかけは「恋する惑星」。見事にトニー・レオンにハマる。色々トニー作品を借りる中で、そういえば「ブエノスアイレス」という香港2大俳優が競演したものがあるじゃないの!しかも王家衛だし!「恋する惑星」の監督だったはず!と借りる。しかしあくまでトニー主観で観てしまう私。レスリーは見事な小悪魔ぶりだなぁ、さすが大明星だとしか思っていませんでした。一緒に「欲望の翼」を借りてみたけれど、雰囲気が好きでこの映画もいいなぁとしか思ってませんでした。ラストのトニーに愕然とさせられながら…(いまはあれがあることによって、この映画が成り立っていると思っているので何とも思っていませんけれどね)

で、何故か気になる存在になってきた「レスリー・チャン」。「欲望の翼」をもう一度借りる。目から鱗が落ちるとはまさにこのこと。私はすっかり「ヨディ」の虜と化していました。そして、大好きな作家“山田詠美氏”が「欲望の翼」でのレスリーが下着姿でチャチャを踊るシーンが好き(確かそのようなことをエッセイに書いてました)、アジアでこのような色気を持っている人はいないというようなことが思い出されました。そして、レスリーの持つ影がヨディとピッタリでして、彼は本当に役に成りきるタイプの俳優さんだと感じました。このシーンがあまりにも衝撃すぎて、始めてみた時は長く感じられたのですが、良く観ると一瞬なんですよね。それだけ、若者特有のナルシズムが表現されているインパクトがあるシーンです。

この映画の好きなシーンをあげればキリがありません。ヨディのチャチャ・ミミとサブの喫茶店での会話・タイドが電話を待つシーンetc...。

王家衛の「2046」も「欲望の翼」をインスパイアさせるものが各所に散りばめられています。音楽・台詞。。

それだけに、今回がスクリーンで観られる最後なのが残念でたまりません。しかし、まだビデオではレンタルできますし、買うこともできます。未見の方は観ていただきたい映画です。
レスリーはやはりすごい役者だと感想を書いていてまたしても思いました。私にとって唯一無二の存在です。
欲望の翼

コメント

非公開コメント

マギーとカリーナのやり取りが印象的でした。「今度はあなたが苦しむ番よ・・・」って。当時の私自信もごたごたしてて、「あ~、分るよその気持ち!現在進行形だよ!早く楽になりたいよ~!」とあえいでいました。最後のトニー、もう一回みたいな。きっと今は違う感想を持つんだろうな。

gorgor_34さん
TBとコメントありがとうございました。見た人の数だけ印象深いシーンとその会話への思い入れがある作品は、そうあるものではありませんね。皆さんの熱い思いはきっと天国のレスリーに届いていると思います。

ちよさん>
私も二人のバトルは切なくて…。
あの映画の人物はみんな切ないんですけどねぇ。特に女性陣が。
ちよさんも、この機会にまたご覧になって下さいませ!
もにかるさん>
こちらこそ、ありがとうございます。
これだけ、沢山の人に色々な感想・思いを抱かせる作品は本当に珍しいですよね。
だから王家衛作品の中でも人気が高いのだと感じます。
7月の初頭から日本はレスリー三昧(写真集復刊など)なので、
彼も喜んでくれていると思っています。そしてこれからも続けていくことも大事だと思いました。

コメントありがとうございます。
TBは勿論、OKです。
僕はこの映画のお気に入りのシーンって言えば、ミミがヨディのアパートから帰るシーンですね。カリーナ最高ッス。

TB&コメントありがとうございます。
『欲望の翼』、記事がUPされるのをずっと楽しみにしていました♪
“唯一無二”とおっしゃるだけあって、やっぱり思い入れが違いますね!
自分はあえて一つのエピソードだけ書いたんですが、おっしゃるように「ヨディのチャチャ・ミミとサブの喫茶店での会話・タイドが電話を待つシーンetc...。」、どれもほんとに素敵ですよね。
「惚れないでよ!」は確かに圧巻でした。一度くらいは言われてみたい台詞です(笑)
MyBlogListに登録していただいてありがとうございます!
こちらも登録させていただきました。
今後ともよろしくお願いします。

2046の公開前に書いたので、色々な感情に囚われている感想なので、悩んだのですが、TBを送らせて戴きました。
この映画ってその時の自分のキモチで、見え方・見方が180℃変わるんですよね。
どのシーン良くて、どのシーンも印象深くて、どの台詞も響いて。
上のエントリの覇王別姫のように、良い映画は残るものです。この作品もきっと…信じましょう^-^

ヤグチさん>
TBの件、ありがとうございます。
あの振り向きざまの投げキッスは同性でも、
「良い女だぁ」と感じます。
micchiiさん>
とんでもございません。書きたいことありすぎて、
なんとかあれだけにまとめました(^_^;)
また素敵な企画楽しみにしております&参加しますね。
今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m
nomaさん>
TBありがとうございました。こちらから相互してもよろしいでしょうか?
その時の気持ちによって、見え方が変わるのはやはりカーウァイマジックなのでしょうか。
ブエノも私にとってそういう映画です。
覇王別姫は本当に嬉しいです!
またスクリーンで逢えるのを楽しみに家で研究(笑)します。

あんな内容でも大丈夫でしたら、TB相互、大歓迎です♪
気になさらずに、ジャンジャンTBしちゃって下さい^-^
>カーウァイマジックなのでしょうか
だと思います。
どの作品を見ても、家衛の手腕にやられてしまいます(笑)
あとは…見る側の経験…かな。人間関係の儚さや濃さは10代では実感としてなかなか気が付かないものもありますし。どの映画にもそれは言えると思えるのですが。
ブエノも確かにそうなんですよね。しかも特に色濃いマジックです。

nomaさん>
TB送りましたです。どうもです♪
あのサングラスの奥の秘密を知りたい~。
経験。それもそうですね。一度見て気付かないことが
2度みてわかったりしますね。あと、映画の良いところは
はじめて見たときの気持ち・感覚・なんていったらいいんでしょう
「あぁ、このとき私はこんなことしてたな」と思い出させるのが
映画・音楽・ともに共通して感じたりします。

トラックバック

欲望の翼

ウォン・カーウァイが自身の作家性を確立した作品と言うと、多分、この『欲望の翼』ではないかと僕は思ってるんですが、この作品にはまだちゃんとしたストーリーラインが存在してます。レスリー・チャンが演じるヨディのアイデンティティ探しを軸にして、登場人物の思いが絡n

『欲望の翼』

阿飛正傅(1990/香港)【監督】ウォン・カーウァイ【出演】レスリー・チャン/カリーナ・ラウ/アンディ・ラウ今回は、『恋する惑星』『楽園の瑕』に続いて3本目のウォン・カーウァイ監督作品です。今回も『楽園の瑕』同様メンバーが超豪華。今は亡きレスリー・チャンを筆頭n

求めて傷つけて…

哥哥と家衛の関係と、2046を意識して書いている欲望の翼…。すっかり捕らわれてしまい、こんなことに…。nomaさん>TB送りましたです。どうもです♪あのサングラスの奥の秘密を知りたい~。経験。それもそうですね。一度見て気付かないことが2度みてわかったりしますね。

「欲望の翼」

「欲望の翼」を見ました。1960年代の香港、片思いする若者達の話…だと私は思う